この本、探しています!(本の探偵団)
1976年以前の時代小説 - ななし
2022/06/24 (Fri) 22:35:12
5chで二度ほど質問しましたが回答がありませんでしたのでこちらで質問いたします。
剣術家を主人公にした小説の短編集ですが、再度読みたいと思い長年探しております。大分前にもこちらで質問いたしましたが回答がありませんでしたので再度質問いたします。
1976年時点で図書館にあった時代小説の短編集です。
記憶にある内容は以下の感じです。
●若い手裏剣修行者同士が決闘し、一方が首に手裏剣が刺さって死ぬ。
生き残った若侍は死んだ若侍の叔父で剣術の達人に決闘を申し込まれる。
手裏剣の師匠から蟹目の大事を教わり決闘に望む。
相手の瞳が大きく見え、手裏剣を放ったところで終わり。
●二人の剣術修行者が互いにライバル視し合って修行に励んでいる。
墓石か何かを掘る時間を密かに争う。
間合いの極意を掴むため、一方(A)は自分の目に針だったか短刀だったかを突き立ててぎりぎりで止める稽古をする
もう一方(B)は、自分の息子の目で同じ稽古をする。
(B)は、猛勉強をして目が悪くなる。
(B)は、殿様に間合いの極意を教えてくれといわれ殿様の前で息子の目を突くが
目が悪くなっていたため失敗し目を突いてしまう。
息子は自分が動いたせいで失敗しましたという。このあと忘れました。
●剣術・柔術・馬術の名人である浪人が主人公。
ある日暴れ馬に飛び乗って両脚で胴を締めながら鳥居を掴んで馬をぶら下げて取り押さえる。
その手柄により仕官して武術を指導するようになる。
柳生流の剣客と御前試合をして勝利する。
藩に陳元贇がやってきて殿様の命令で柔術の試合をする。
いい勝負ができたと満足していたら、陳元贇に「貴方は強かった。この字を書くのに苦労した」と言われ、試合場を見ると地面に「陳」の字が書かれていた。
以後、柔術の指南をするのは止めてしまう。
●とある村に剣術で有名な老人の医者がいる。実は盗賊でもある。
若侍が剣術の弟子入りをする。娘が医術の弟子(ちょっとあやふや)。
あるとき、盗賊の正体ではないかと疑われるが片足が悪くとても無理だということで疑いが解ける。
実は、医者の家の馬屋番が盗賊の弟子。
剣術・医術・盗賊全てで後継者ができて良かったと医者が言ったところで終わり。
以上です。確か四六判かその変形程度のハードカバーだったと思いますが定かではありません。
よろしくお願いいたします。
Re: 1976年以前の時代小説 - ななし
2022/06/28 (Tue) 17:55:34
本のタイトルは全く定かではありませんが「武道物語」とか「武芸なんたら」とか武道・武芸・武士、秘伝、武士道その他、その手の言葉が入ったシンプルな物だったと思います。
Re: 1976年以前の時代小説 - ザラメ
2022/06/29 (Wed) 09:46:25
題名からの推測ですが、南條範夫の「剣士秘伝」はどうでしょうか…?
収録作は以下の8編。
1. 篆刻をする剣士
2. 秘伝『蟹目の大事』
3. 無刀拳法
4. 眼を突く剣士
5. 山を護る剣士
6. 輦台をかつぐ剣士
7. 二つの魂を持つ剣士
8. 武将零落
2と4がお探しの内容に近そうな題名、3が柔術、7が医者兼盗賊の可能性がありそうな感じもします。
出版社などは以下の通りです。
◆東京文芸社
・「南條範夫新残酷全集 剣士秘伝」1966年
・「剣士秘伝」1975年
※上記の全集と同じものなのかは不明
◆講談社
「剣士秘伝」1960年
※ロマン・ブックスという新書版
少々古い本のため所蔵している図書館が少なく、検索で見つけた範囲では以下の7館のようです。
・国立国会図書館
・群馬県立図書館
・東京都立多摩図書館
・佐賀県立図書館
・熊本県立図書館
・名古屋市鶴舞中央図書館
・大阪市立中央図書館
ロマン・ブックス版は電子書籍化されていて、『篆刻をする剣士』の一部であれば無料で試し読みできるかと思います。
Re: 1976年以前の時代小説 - ザラメ
2022/06/29 (Wed) 09:50:50
長くなるので別レスで失礼します。
もう1冊、南條範夫新残酷全集で同じような収録作のものがあります。
医者兼盗賊がちょっと見当がつきませんが…。
◆東京文芸社
「南條範夫新残酷全集 霞の太刀」1966年
・収録作品
1. 霞の太刀
2. 秘伝『蟹目の大事』
3. 眼を突く剣士
4. 輦台をかつぐ剣士
5. 管領を狙う剣士
6. 無刀成敗
7. 無刀拳法
8. 歌舞伎剣法
9. 丹田斬法
10. 刺客二階堂兵馬
11. 血闘浄瑠璃坂
12. 碇ヶ関の花吹雪
◆所蔵図書館
・栃木県立図書館
・群馬県立図書館
・東京都立多摩図書館
・滋賀県立図書館
・京都府立図書館
・名古屋市鶴舞中央図書館
※国立国会図書館にも、出版社名の違う同じ書名の本があります。おそらく同じ本です。
Re: 1976年以前の時代小説 - ななし
2022/07/10 (Sun) 11:42:25
> ザラメ様
非常に詳細な情報大変ありがとうございます。
情報は出まいとほとんど諦めて、ここをチェックするのをさぼっていたため御礼を言うのがすっかりと遅くなってしまいました。
秘伝『蟹目の大事』、眼を突く剣士、二つの魂を持つ剣士は、表題がまさしく記憶の内容に近いですし、剣士秘伝という書籍タイトルも可能性が非常に高そうです。
『篆刻をする剣士』は読んでみましたが無料で読むことができる範囲では何ともいえません。ただ、恐らくこの本で間違いないとおもい、先ほど日本の古本屋で注文いたしました。
届きましたら結果をご報告させていただきますが、とりあえず心よりの感謝を。
Re: 1976年以前の時代小説 - ななし
2022/07/10 (Sun) 15:58:41
> ザラメ様
ロマン・ブックス版の電子書籍がAmazonで販売されているのを発見して、待ちきれず古本屋での注文とは別に購入いたしました。
結果、2. 秘伝『蟹目の大事』と4. 眼を突く剣士がそのものズバリで探し求めていた作品でした。
また、7. 二つの魂を持つ剣士 が医師兼盗賊の作品で陳元贇と戦う作品は、5. 山を護る剣士 の方でした。
というわけで、私が探していた本はご指摘の通り『剣士秘伝』で間違いないと思われます。
ただ残念なことに「墓石か何かを掘る時間を密かに争う。」という部分はてっきり「眼を突く剣士」のエピソードと思い込んでおりましたが、どうやら別作品のようで、ロマン・ブックス版には該当作が見当たりませんでした。
私の記憶では、「二つの魂を持つ剣士」が書籍の最後に掲載されていた作品でしたので8. 武将零落はその本には載ってなかったはずです。
ということでどうやら探している本はロマン・ブックス版とは構成の異なる「剣士秘伝」であると思われます。
とはいうものの、長年探し求めていた本のタイトルがわかり、なにより作者が南條範夫である事が確定しましたので、あとは記憶にある表紙の絵(確か、B6版か四六判くらいで、薄黄色かなんかをベースに木立と農家? 民家の絵の表紙だったように記憶しています)を手がかりにしらみつぶしで探してみようと思います。
恐らく、ご紹介いただいた東京文芸社の二冊のどちらかでは無いかと思いますが。
いずれにしましても、お陰様でうん十年ぶりに気になっていた作品を読み返すことができるようになり、感謝の念に堪えません。
返す返すも、私の無精のせいで御礼が遅くなってしまいましたことをお詫びいたします。本当にありがとうございました。
Re: 1976年以前の時代小説 - ななし
2022/07/10 (Sun) 16:13:57
> ザラメ様
ところで、各書籍の収録作や所蔵図書館はどうやってお調べになったのでしょうか?
ググってみても私には各書籍の収録作を調べることができませんでした。
あと、そもそもの「剣士秘伝」のタイトルをどのようにして推察されたのでしょうか。
もしご覧になっていて差し支えないようでしたらぜひご教授願えますと幸いです。
Re: Re: 1976年以前の時代小説 - ザラメ
2022/07/10 (Sun) 21:38:34
入手なされたようで、おめでとうございます。
長文になりますが、どうかご容赦下さいますよう…。
私の場合、「国立国会図書館サーチ」をよく使います。
最初は、昔は人気だったけれど現在の書店では見かけない作家(五味康祐とか)を当たっていました。しかし、ちっともヒットせず。
そこで総当たり戦に切り替えまして…
(1)「詳細検索」を使って、
・タイトル=剣客、武術、秘伝など(下の項目と合わせてそれぞれ1語ずつ検索します)
・出版年=1960~1977(少し余裕を見ています)
・分類記号=913(NDCの分類で、日本文学)
・資料種別=本
という感じで検索。
(2)古い順で並べ替え、検索結果を1つひとつ見て行きます。(長編や、時代小説と明らかに関係無いものは無視)
幸い、目次がきっちりデータ化されたものが結構多く、内容そのものはあまり苦労しませんでした。
(3)「剣士秘伝」がそれらしいと判断がついたので、残りの南條範夫の作品をチェックして、同じ短編が収録されている本をピックアップ。
と、こんな感じですが、ご参考になれば幸いです。
所蔵図書館は、検索結果を個別に見ていくと、“見る・借りる”という項目があります。そこに表示されているのが所蔵館です。
全ての図書館を網羅しているわけではないらしいので、お近くの図書館のHP等で検索してみると所蔵されているかも???
ちなみに、私の近場の市町村立図書館は全滅でした…。
実は、『篆刻をする剣士』の続きや陳元贇が気になり、私も電子書籍版を購入しました。
まだざっと目を通しただけですが、ご記憶の確かさに驚きました。
ご質問が無かったら、南條範夫作品は読まずじまいだったと思います。新たな作家に触れるきっかけを下さり、ありがうございました。
Re: Re: 1976年以前の時代小説 - ザラメ
2022/07/10 (Sun) 21:49:45
蛇足ですが、題名からの推測というのは「剣士秘伝」ではなくて、『二つの魂を持つ剣士』等の個別の短編の方です。
そのものズバリの題名だったのがラッキーでした。
「密命」みたいな抽象的な題名だったら、おそらくわからなかったと思います。
Re: 1976年以前の時代小説 - ななし
2022/07/12 (Tue) 12:52:24
> ザラメ様
まさかそれほどの労力を費やしてくださっていたとは思いもよりませんでした。お礼の言葉もありません。
お教えいただきました検索方法も今後活用させていただきます。
言葉では感謝を十分にお伝えすることができませんが本当にありがとうございました。